反省記別館

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最近読んだ本三冊
★「下流社会 新たな階層集団の出現」三浦展/光文社新書

なんとなく。流行りにおされて読んでみた。
最初に思ったことは…なんか…この人、文章ヘタ…?っていう…。
なーんか読んでる途中でむかっとくるところが無きにしもあらずなんだけれど(笑)私はこのどこにも所属しねえぞこのヤロー!と反発したくなりますが。
だけれどもまあ結論を導きたいゆえのこじ付け的な部分(サンプル数の少なさは筆者も認めているところ)はあるけれども、ここに書かれていることはある意味では、実際に感じていることとして友達ともさんざん話していることだなあと。
あとがきに書かれている、ハードに働く人とそうでない人を分ける要因は何か。
っていう問題が、実は筆者が一番気になっていることじゃないのかなあと思う。
その答えはもしかしたら非常にデリケートな、人間の善の感覚からいったら不快なものかもしれない。だけれどもそこが基点となって、冒頭の問題提起につながっていってるんだろうな。

★「宇宙をうたう―天文学者が訪ねる歌びとの世界」海部宣男/中公新書

古代から現代に至るまで、人々は宇宙をどう捉えていたのか、ということを、和歌やおもろなどの歌、さらには建造物から読み取っていく本。
筆者は天体望遠鏡「すばる」の建設にかかわった天文学者。
万葉の時代にあれだけ自然を詠んだものが多いのに、星はほとんど題材にされていないというのはちょっと意外、そして理由を知って納得。時代の移り変わった江戸時代には、庶民が非常におおらかに星を詠んでいて心が和む。
日本語の豊かさを再認識した。
普通に読んでいたら「ほし」は「空に無数に輝く星々のどれか」という程度で流しちゃいそうだけれど、言葉や歌の詠まれた状況から、時間や季節を推測して、何星座の何々という星だろう、という見方をしているのはさすが天文学者で、より深く理解できた気になります。

★「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因」西林 克彦/光文社新書
「究極の分かったつもり人間」である私の胸に突き刺さるタイトル。
文章を読んで「わかった」というのがどういう状態か、どうすればより深く読めるのか、ということが、小学校の教科書などの易しい文章を例にとって、無駄のない読みやすい文章で書かれている。
この本の途中にも出てきたけど、段落に番号をふって読み解いていくの、よくやったな〜、小学生の時に!!
「この段落に対して、この段落とこの段落は並列の関係である、接続詞がなくても惑わされてはいけない…」みたいな。
そうやって考えると、私、小学生の時にそれなりの読解の基本は習ってたんだなあと今更ながらに実感。結局、その頃の知識(というか考え方)をベースに、大学受験まで乗り切ったもんなあ…国語に関しては…。
ありがとう中学受験勉強。単なる受験のテクニックじゃなくて、読解というものを教えていてくれたんですね。
この本、帯によるとドラゴン桜の中でも引き合いに出されていたようですが、ホント受験生にオススメですね。
また、文章をよりよく読むということは、分かりやすい文章を書くということにもつながってくると思うので、どうも文章を書くのがニガテ、って思う人も読んでみたら良いんじゃないでしょうか。→私のこと…。

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【メモ】最近読んだ本二冊
★シングルモルトを愉しむ
 土屋守著・光文社新書

★もし僕らのことばがウィスキーであったなら
 村上春樹著・新潮文庫

とりいそぎ…
| zooty | どくしょ | comments(2) | trackbacks(0) |
また本二冊 本格焼酎を愉しむ/時生
本格焼酎を愉しむ
光文社新書 田崎真也著

著者はソムリエとして知らぬものはいない田崎真也氏。
嫌いだった焼酎をなぜ飲むようになったのかというエピソードから始まり、焼酎の歴史や作り方、最後にはセレクトされた焼酎のレビューが掲載されている。
焼酎の基本的な解説が読みやすい言葉で網羅されている点もさることながら、田崎真也本人の体験談が面白い。意外なほどに気さくそうな人柄が表れている。
日本の食文化への問いかけなんかも含まれているけど、私は「ごちゃ混ぜ食べ」をやめられそうにない…。
しかし料理とのあわせ方の追求に目からウロコ。
今まで考えているようで考えていなかった「お酒の愉しみ方」の世界が広がった気がする。もう「酔うために飲む」のは卒業だわ。
読み終わったその日にマグロの刺身が出たので、とりあえず麦焼酎を水とワサビで割ってみた(笑)

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

時生
講談社文庫 東野圭吾著

本格ミステリーなどを読みたい気分ではなかったので、ちょっとでもそういう雰囲気が漂い始めたらやめようと思った。
家族もののストーリーかと思いきや、読み進めていくうちに、あれ?また彼女が失踪?しかもまたヤクザがらみ??
しかしハードボイルド臭はなく、結局読破してしまった。
ちょっと不思議で、すごく切ない。
冒頭部分で、死ぬことが分かってしまっている息子の時生。
その父親の拓実の前に現れる少年「トキオ」が純粋でいとおしい。

どこかで誰かが死んだって、地球は回るし、明日は来るし、笑って歩いている人がいる。なんでよ?って思ってた。
でも確実にそのとき私は泣いていて、そのことが大切なのかなとかそういうことをこの本を読んで思ったような思わなかったような。

意味わかんいっすねーすんません。
3日のことで正直アタマ一杯です。

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本二冊 ホワイトアウト/民族の世界地図
時間ないので手短に…。

ホワイトアウト
新潮文庫・真保裕一著

何年か前に織田裕二主演で映画化された小説。
日本トップクラスの貯水量を誇るダムが占拠され…そこに自らの過失により友を死なせてしまった過去を持つ男が、犯人の野望を阻止するべく乗り込む…という話。

なかなかスリリングで楽しめた。
まあ、一ダム所員にここまでできるか?という疑問はあったけれど、そこ気にするのは野暮ですか。というか、そこに関する疑問は、話の中で犯人たちの様子から抵抗している人間の存在を知った千晶の、「いったい何者!?」という言葉に集約され、うまくごまかされたような。。。
いやでも話は面白かった。
雪崩をはじめ、雪山の寒さ恐ろしさがこれでもかというほど出てくるので、なんだか暖房の効いた暖かい部屋で読んでいると申し訳ない気がしてくる。

でもちょっと終わりあっさりしてるかな。
相当非道な犯人たちなのに、結局みんな死亡(殺されるか自然に負けるか)だしね。それによって、自然の脅威を描きたいのか、盛者必衰の理を描きたいのかがちょっとぼけた印象。
笠原(仮名)がウラ主人公。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

民族の世界地図
文春新書・21世紀研究会 編集

21世紀研究会による○○の世界地図シリーズ第一弾。
「民族」というものを様々な観点から、広く浅く概説。
日本人にはなかなか馴染みの薄いアフリカの民族の話や、文化史的なアプローチもあったりして役立つ。
のだが。
まず、編集者である「21世紀研究会」というものがいかなる団体か不明。
「歴史学、考古学、宗教学、文化人類学などの研究者9人」、ということだけれども果たしてどういう経歴でどういう分野が専門の人達で、そのうちの誰がどこを担当しているのか、などがさっぱり分からない。ネットで調べても出てこず。
それって、なんとなく信用できないよね。。。。
別に、お偉い学者先生が書いたものだから全面信用、ってわけではないけれど。責任の所在が明確じゃないでしょー。
後ろに記載されている多量の参考文献を見ると、「もしかしてこれつないだだけ…?文体も軽いし、。。。もしや学生のレポート?!」とすら思ってしまう。
読んで参考にならないことはないけれど全部信じるのは多分危険。

以下のサイトも参考に。
『民族の世界地図』批判
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【読書】迷宮遡行/貫井 徳郎著

迷宮遡行 貫井 徳郎
新潮文庫

おなじ作者の「慟哭」が一時期(大分前だが)本屋に大量に平積みにされていて、面白いとあおられていた。
で、なぜか慟哭の方は読まずにこっちを読んでみた。

読みやすいには、読みやすい。
さくさく読み進めてしまう。

以下ネタばれ有り。
うだつのあがらないサラリーマン(現在リストラ中)である「おれ」(名前は迫水)の元から、置手紙一枚残して奥さんが姿を消す。
納得のいかない迫水は、彼女を追っていくうちに、ヤクザ同士の恐るべき抗争に巻き込まれていき、最後は衝撃の事実が…というストーリー。

まったくの一般市民が、わずかなヒントから一人の人間を追っていく、その過程は、「自分だったら…」という投影ができて引き込まれる。
奥さんである「絢子」の素性が、二転三転(三転したかな?)しながら明らかになっていく様も、それなりに楽しめる。
自分の行動のせいで大切な友人を失ってしまい、最後捨て身で単身乗り込んでいく迫水の行動、喪失感も、胸に迫らないわけではない。

でも、読後感として一番強いのは、ちぐはぐとしたリアリティのなさ。
私が気になったのは、まず、台詞やシチュエーションの作り方。
これに関しては好みもあるだろうけれど、「どっかなんかのドラマで見たような」っていう風味の台詞回しなのだ。しかも、読んでてそのわざとらしさにたまにむずがゆくなる。。。
たとえば、
殺された新井の元妻をたずねるシーン。
子連れの元妻は、ファミレスで、子どもを横において結構ヘビーな会話を展開。その横で子どもは無邪気そうにクリームソーダを飲む…

とか。

ヤクザに追われておばの下に身を潜める女子大生に情報を聞き出しにいくところ。
何か言いかける女子大生を、おばは「それを言っちゃっていいの?」みたいな感じで制する…(聞いてくださいと言っているとしか思えない誘導…)

とか。
前後の流れもあるからこれだけでは微妙かもしれませんが、こういう、「ありえそうにつくっているけど絶対ありえないから」「しかもどこかで見たことあるわざとらしさ」っていうのにものすごーく反応してしまうのって、私だけ?

それと、ストーリーの大きなキーである「ヤクザ」の描き方。
これがまた、カタカナかぎかっこつきで表記したくなるような、ベタな「ヤクザ」。
頬に傷があって目つきが悪いなんて、そんな…。

言葉使いも、親近感を出そうとして滑っている感がぬぐえない。

「人の行動が思わぬところで独善的だったり、予測もできないまま不可抗力で不運が襲ってきたりするために、時として誰も幸せになれない悲劇が存在する」重苦しいストーリーと、「全体を覆うわざとらしい軽さとリアリティのなさ」が、水と油のように交じり合うことなく、結果として一番のみせどころである最後のシーンに
「ここまできてそれかよ!!」
と突っ込みたくなる、なんとも残念な作品です…

ディテールさえもうちょっと変われば、もっともっと面白かったと思うのになあ…。

なんて散々言っておきながら、読後日にちが経過した割にはストーリーを意外と細かく覚えているところが侮れない。
| zooty | どくしょ | comments(0) | trackbacks(0) |
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